光の剣に対して光の剣で挑む――鏡像と戦っているようで、非常に気分が悪かった。
 少女一人で対峙できるはずもなく、助けられっぱなしで力を振るい、
 ついに地に堕ちた「ソレ」を見たとき、
 戦いの終わりは見慣れているはずの少女も、そこからそっと目を背けた。

 「大丈夫か、”クラウソラス”」
 「ええ、大丈夫。私は大丈夫よ。別にそういうことだって、おかしくないって……」
 「強がるんじゃねぇよ。あんなん私だったら気が狂ってる」

 辺りが鎮まったころ、風に消えそうな声で三人はやりきれない声で零す。

 「オルタダストって、他の世界の私たちなのね。だから」
 「ああ。”クラウソラス”、あれは君じゃないぜ」
 「……それは分かってる。でも、ああいう私も、いたってこと」

 黒髪の少女は手にしている剣の柄を強く握る。

 「でも大丈夫。生き残るのはあれじゃなくて私だから」
 「よし。分かってるんなら、飯食いに行こうぜ、飯」

 “エクスカリバー”がその手首を掴んだ。
 無理に元気づけようとするのとは違う、自然な動きで引っ張る。

 「アレじゃなくてアンタが選ばれて当然でしょ。私たちも一緒。はいこの話終わり!」
 「おまえのその自信はどこから来るんだ、”エクスカリバー”」
 「ジメイノリってやつだろ。分かれよ」

 引っ張ってずいずいと歩いていく”エクスカリバー”の後ろで、
 “レーヴァテイン”と”クラウソラス”はいつもの調子で声を揃え、言い返す。

 「分からねぇよ!」
 「分からないわよ!」







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