猛攻を受け続ければ、やがてオルタダストの少女は限界を見せる。
 キミたちの集団での連携から生まれた、圧倒的な威力の攻撃の前に、剣は砕け、翼は破れ、肌が凍っても、絶叫のような咆哮と共に少女は何度か立ち上がった――無尽蔵の実力を持っているかのように見えたとて、ヒトであればいずれ限界は訪れるもの。同時に、勝利を目前にしてあと一押しと奮起するキミたちの中にも、疲弊し、傷つき、暴走する者があっただろう。
 あとはどちらが先に根負けするかだと、周囲一帯があまりにも凄惨たる様相を示すほどに戦いが続いた頃、二つの強烈なワーディングが一帯を飲み込んだ。

 「リザーブド、あれを始末しなければ何も始まらないぞ」
 「もー、”ノース”、もっと普通に言えばいいじゃん。手伝うよって」

 二人分の赤の髪が塵埃の舞う風に靡く。
 キミたちのうち、まだ戦えるものには支援を、傷ついたものには回復を、望まず暴走したものには沈静を。直接ダストに干渉することはできない二人が、そうとは言わずにただキミたちに力を貸した。二人に周囲から向けられる攻撃は全く受け付ける様子がない。何かの気紛れで現れたかのように、ただほんの少しだけ手助けをして、また闇の中に消えていく。

 「あとちょっと!」
 「やだ、嫌だ、私、私、消えたく、な――」

 最後の一撃と、とどめだと、勢いづいて繰り出されたキミたちの支援や妨害、攻撃の数々に耐えられるはずもなく、少女の身体は沈んで落下し、生への咆哮が途中で途切れる。

 「なんで、なんで、なんで……?」

 そして、誰にも届かない言葉を最後に、夜闇色はあっけなく塵に還った。

 ――戦闘終了。キミたちの勝利だ。








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